意外とそのまま

 高校の3年生になったとき、「自分が1年生だった頃の3年生は、もっとすごかった気がする」というようなことを思った。

 いま大学の4年生になって卒業研究やらなにやらをやってても、同じことを思う。大学院生とか、社会で働く大人とか、先生とか、父親とか、すごいと思える人はたくさんいるけれど、自分がなってしまえば、きっと同じことを思うんじゃないだろうか。

 自分自身が気づかないうちに、成長している面もあると思う。ただそれ以上に、すごいと思った人というのは、意外と別の世界の人ではなかったってことなんだろう。

 先輩たちは思ったよりも僕たちと近くて、先生方もそうで、大人なんてあたりまえだけど子供の延長線上にいるだけだ。

 同じとは思わないけれど、そう考えたらほっとする。肩の力が抜ける。

 ある日を境に、立派になれるわけじゃあないし、きっとみんな、子供のまんま大人になる。